室長レター― 巣鴨校

『覚え方は色々ある。日常の中でひと工夫!』

「私、社会にがて~」「私もキラい!」
先日、中学生の女子二人が、授業後の教室でそんな会話をしていました。
新学期が始まり、トーモンでは毎週土曜日に理科・社会無料講座(スタ・サタ)が始まります。二人とも都立高校を第一志望にしているので、普段の個別授業に加え、土曜のスタ・サタに参加することを決めたようです。私は、そんな二人の会話の中に割って入っていきました。
私:「二人とも今年は受験生だもんね。」
二人ともうなずく。
私:「社会が苦手って言ってたけど、社会のどこが苦手なの?」
女子A:「私、地理がだめ!」
女子B:「あー、私も。世界地図とかぜんぜん覚えられない。」
女子A:「私、こないだまでブラジルってアフリカだと思ってた」
女子B:「私はヨーロッパとかぜんぜんわかんない。」
苦笑いする私。
女子A:「先生、なんかいい覚え方ないですか?」
そう聞かれて、私は反対に聞き返しました。「二人とも、家に地球儀ある?
二人はうなずきました。
「今日家に帰ったら、早速その地球儀をテレビの上に置いてごらん。そして、テレビを見てて、外国の名前が出てきたら、そのつど地球儀で場所を確かめるといいよ。そうすれば、テレビを見ながら国の名前と場所が自然に覚えられるから」
日常の中にひと工夫加えるだけで、普段何気なく目にしているものが勉強になるのです。

以前、計算が苦手という小学生がいました。
単純な計算でいつもミスをすると、お母様も嘆いておられました。私はその生徒(C君)にこんなことを言ってみました。「道を歩いている時に、クルマとすれ違ったらそのクルマのナンバープレートを見てごらん。そこには4つの数字が並んでいるから、それらを足したり引いたり、掛けたり割ったりして10にすることができたら、その日はC君にとってラッキーデーだよ」
これは、四則演算(+−×÷)の練習です。答えに到るまでの途中式は、幾通りもあります。また、必ずしも「10」にならない場合もあります。4つの数字を頭の中で掛けたり引いたりこねくり回し「10」にするというたったそれだけのことです。ところが、これが癖になると4つの数字を見た瞬間、いつでもどこでも頭の中で計算をするはめになります。私が子供の頃は、電車の切符に印字された発券番号の4桁の数字を使ってよくやったものです。うまく「10」にすることができれば、その日はツイていると勝手に信じて。
その話をした翌週、C君は教室に来るなり「先生、今来る時に見たクルマのナンバーで10にすることができたよ!」と嬉しそうに言いました。「お、じゃあ今日はツイてるね」と私。さらに数日後、C君はこんなことを言いました。「駅の看板で3つもできた。だから今日は3つ良い事があるよ。」よくよく話を聞いてみると、C君はクルマのナンバーだけでなく、街中の看板に書かれた電話番号を使って四則演算をしていたのです。その後、C君の計算ミスが次第に減っていったことは言うまでもありません。
子供たちにとって教材とは、教科書や問題集だけではありません。身の回りにあるすべてのものが教材になるのです。学校や塾で学んだことを、いかに日常生活に結び付けていくか。それが、学習習慣の第一歩になるのです。

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