室長レター― 南千住校

『行動と意思は伝わっていく』

 

現在、南千住校では冬期講習の真っ只中です。多くの皆さんが朝8時半から白い息を吐きながら、時間に遅れないように来てくれています。そして20名以上の先生方が1つの教室で、“熱い“授業をしてくださっています。そんな雰囲気も手伝ってか、一生懸命に勉強している受験生に影響を受けて、自分が受験生ではなくても、授業が終わってから残って自習をする生徒もいます。まさに、タイトルにある通りの『行動と意思は伝わっていく』ものなのだなぁ、と感じている今日このごろです。

さて、今回は行動と意思に関する心理学に基づくお話を紹介したいと思います。

私が先日、高校1年生のKさんと面談をしていた時のことです。都内の進学校に通う彼女と、志望校に関する話をしていくと、「私は、国立の医学部に進みたいんです!」とキッパリと言ってくれました。
理由も色々と聞かせてもらったのですが、私は彼女に対して「Kさんは国立の医学部に進みたい、と自信を持って言うことができている。本当に素晴らしいことだ!」と感じました。
― さて、私が素晴らしいと感じたのはなぜでしょうか?
別に目標が高いから素晴らしいと言っているわけではありません。高い目標を持つこと自体は簡単です。しかし、それを他の人に話すこと(共有すること)となると、一気にハードルが上がります。

「なぜ、彼女はこんなに堂々と言うことができたのだろうか?」と私は考えました。その時に、『行動と意思は伝わっていく』という言葉を思い出しました。先にも書きましたが、彼女の通う高校は東大を始めとする難関大学に合格者が多い進学校で、「東大に受かるのも難しくはない」と考える生徒もいる学校です。もちろん彼女自身の学力も高いのですが、それよりも高校の校風が彼女の意思決定に影響を与えているのではないか?と思いました。周囲に東大や国立大の医学部を目指す生徒が多いおかげで、彼女自身もその影響を受け、自信を持って目指すことができるのです。

かつて、『TIME』誌が発表する「世界で最も影響がある100人」に選ばれたこともあるハーバード大学のニコラス・クリスタキス教授は、社会のネットワークについて研究し、大量のデータをかき集めて調べた結果、「行動も意志も感染する」ことを発見しました。人間は、自分では「自由な意志で行動している」と思っていても、実際は周囲の考えや、周囲の人が欲しいもの、やっていることに影響されています。周りにいる人間が怠惰な生活を送っていると自分も引きずられ、ボランティアなど良いことをしていると自分もしようと思う気持ちが強くなるのです。
事実、駐輪禁止の場所に大量の自転車が置いてあるのは、「こんなに置いてあるなら自分も放置して構わない」という気持ちが働くからでしょう。まさに「赤信号、みんなで渡れば恐くない」です。もし誰も自転車を置いていなければ、自分1人だけ放置することに罪悪感や戸惑いを覚え、控える人が殆どでしょう。テレビで笑い声の効果音を入れるのも、笑いの感染を狙ってのことです。心理学者スタンレー・ミルグラムが行った実験では、特に面識のない3人が空を見上げると、そこにいる人の多くが同じように空を見上げました。あまりに簡単に、そして無意識のうちに行動は感染してしまうのです。

こうした感染のカは、目標達成のために活用することができます。
― 私が学生時代に、テスト前に何人かで集まって勉強することになったときの話です。私が「もう6時間も勉強した…」と思い、“疲れたからそろそろ寝よう”としていたら、時計を見た友人が「まだ6時間しかやってないのか」と言ったのです。更に、そこにいるみんながその友人の発言に飲み込まれ、当たり前のようにそのまま勉強会は続きました。もちろん私も勉強を再開しました(笑)

「6時間勉強し続けることは、そんなに凄いことでも大変なことでもない」という周囲の認識が自分にも感染すると、長時間であっても苦に感じません。みんな普通にやっている簡単なことと思えるならば、どんなに時間が経ったとしても、意外と継続できるものです。

ですから、「東大に受かるのはそこまで難しくない」という意識が周囲にあれば、「自分だって合格できる」という気持ちを強く持ちやすくなることも同じようなことなのです。再び私自身の話で恐縮ですが、高1の頃まで私は「自分も東大とか行けるといいなぁ。いや、1人暮らししたいから東京に行きたいなぁ。」くらいにしか志望校を考えていませんでした。高2になってから、東大志望者が数多く集う塾に通い始めると、そこはもう「異世界」のようでした。他校の友人を何人か作ることができて、休み時間に彼らと話していると、彼らは「東大を目指す。2年後には東大にいる。」と、何の引け目も感じることなく言えていたのです。私もそんな彼らと切磋琢磨していくことで、自信を持つことができました。こんな体験もあり、面談をしていたKさんが目標をきちんと言えて、それに向かって邁進できることが“素晴らしい”と感じ、彼女のことも全力で支えようと決意したのです。

話は戻りますが、感染の力は「やる気」にも大きく影響を与えます。全国模試で、周りのみんなが70以上の高い偏差値をとっていたら、自分も簡単にとれそうに感じます。逆に、偏差値40程度が普通だったら、70以上をとるのはとても難しそうに思えます。周囲が勉強せずに遊んでいれば、「自分もしなくていいか」と誘惑に負けやすくもなります。
「それは無理だと思う」とすぐに否定的な発言をする人と話していると、自分の中にあるモチベーションが確実にするすると下がっていくのを感じます。対して、目標を高く持ち「自分はできる」という自信にあふれていて、実際に結果を出している人と話していると、気分が高揚するものです。

心理学では“誰かの目標に対し、いつの間にか自分も同じ目標を持ってしまう”という「目標感染」という言葉があります。やる気も、やりたいことも感染するのです。別に勉強ではなくとも良いのですが、もし達成したい目標があるならば、同じくそれを目指して努力している人、あるいは既に達成できている人たちと多くの時間を過ごすことが最善かもしれません。そうすることによって、自分も良い影響を受けて、圧倒的な変化を実感できるかもしれません。

南千住校でも熱意とやる気に溢れる先生方と生徒たちの良い影響の“感染”が広まって、目標達成に邁進する生徒が増えていくように、皆さんの支えになっていければと思います。

稲門学舎 南千住校
教室長 佐藤 大輔

お問合せは、ご希望の校舎までお電話ください。【受付】13:30〜22:00(日祝除く)

  • 高田馬場校

    03-3205-8098

  • 巣鴨校

    03-5940-3369

  • 西日暮里校

    03-5850-2710

  • 王子校

    03-3927-8070

  • 板橋校

    03-5943-3125

  • 南千住校

    03-5615-3933

  • 木場校

    03-5665-2370