室長レター― 木場校

『知らない世界へ』

夏休みが終わりましたね。それぞれが思う有意義な夏は過ごせたでしょうか。反省すべき時間の使い方があった方は、秋以降にしっかりと生かしていきましょう。

私はここ最近、海外の古典小説を読むようにしています。そんな中、最近読んだ本の中で、深く深く心を打たれるものがありました。サマセット・モームの「月と六ペンス」です。以前から知っていた本ではあったのですが、この夏新潮文庫から特装版が出ていたので、手に取ってみました。今後読まれる方もいらっしゃるかもしれないので詳細は記しませんが、かの有名な画家、ポール・ゴーギャンをモデルにした小説です。

「小説」という言葉は、中国の古い漢語に由来します。「小」は「価値のないもの」の意味です。中国六朝時代に、中国初めての小説ジャンルとして生まれた「志怪小説」もそうであるように、民間の伝承や物語といった、虚構・空想を扱うのが「小説」だったため、現実に起こったことや、役に立つことを扱う「大説」よりも劣ったものとして「小説」は扱われていました。

私は大学時代に「大説(歴史)」を学んでいたこともあり、この話も知っていたので、無意識に「小説」を劣ったものとして捉えていました。家には何百冊と本があるのですが、うち、小説が占めているのは両手で数えられるほどです。本当に、小説には興味がありませんでした。

「月と六ペンス」を読んでいるとき、自分の知らない世界を追体験している感覚が凄まじかったです。小説を読む意義の一つは、「自分の知らない世界を知ることができる」とはよく言われますが、まさにそんな感じです。その意味で私は、馴染みのある文化圏で書かれた日本文学より、異なる文化圏で書かれた海外文学を、そして少し古いものを読むようにしています。

勉強の話になりますが、学校や塾で行う勉強の意義は、「自分の知らない世界を知れる」ことだと思っています。人類が誕生して約100万年、ニュートンが、ナポレオンが、織田信長が、アインシュタインが、人類史に大きな足跡を残した偉人達が行った・発見したことを、約10年間で凝縮して学ぶことができるのです。義務教育で得られるものは、この世界の真理があるとすれば、そのエッセンスです。

よく、「こんなこと勉強して何の意味があるの?」とおっしゃる方がいらっしゃいます。私はそれこそ、そこに意味を求める意味は無いと思っています。全てのことに有益な意味を求めるのは、「自分の得にならない人としか付き合わない」というのと同じです。その人生も、一つの選択肢ではあると思うのですが。この無味乾燥とした社会で、全てのことに意味を求めちゃうと、疲れるんじゃないでしょうかね。

勉強したことが、必ず役に立つとは思いません。私も、高校で学んだ三角関数やら、中学校で学んだ岩の知識やらが、直接人生に役に立っているとは一切思っていません。ただ、別にそれでもいいと思っています。何かを知識として持っている、それだけで人生豊かになるものです。勉強しましょう。学びを止めず、大学生になっても、社会人になっても、一生知らないことを知ろうとしましょう。

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