室長レター― 南千住校

『始まり』

厳しい受験の冬を終え、春の陽気が感じられるようになってきました。今年1年間、受験生として頑張り続けた皆さん、本当にお疲れ様でした。皆さんの努力が実を結び、中学受験を始め、多くの素晴らしい結果を手にされています。2月に入り、私のもとへ数多くの嬉しいご報告を戴きました。本当にありがとうございます!受験生として頑張り続けた皆さんは新学年が始まるまでの1ヶ月間はゆっくり過ごしてください。

そして今まで最高学年の1つ下だったもうすぐ受験生になる皆さんへ。自分の未来を切り開く1年になります。そんな皆さんへ是非お伝えしたいこと。それは『初心忘るべからず』です。
このことわざは皆さんも耳にされたこともあるのではないかと思いますが、一般的な解釈は「物事に慣れてくると、慢心してしまいがちであるが、始めたときの新鮮で謙虚な気持ち・志を忘れてはいけない」というものです。しかし、このことわざには意外なルーツがあります。

室町時代に能を大成させた世阿弥書「花鏡」の結びに以下のような言葉があります。

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しかれば当流に万能一徳の一句あり。 初心忘るべからず。
この句、三ヶ条の口伝あり。
是非とも初心忘るべからず。
時々の初心忘るべからず。
老後の初心忘るべからず。
この三、よくよく口伝すべし
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彼の言う「初心」とは「始めた頃の気持ちや志」すなわち「初志」ではなく、「芸の未熟さ」、つまり「初心者の頃の垢抜けなさ」なのです。初心者の頃の未熟さを折にふれて思い出すことにより、「あの頃の状態には戻りたくない」と思うことで更に精進できるのだ、と彼は説いています。
そして、若い頃の未熟な芸を忘れなければ、そこから向上した今の芸も正しく認識できるのだとしています。
さらにこれには続きがあります。「時々の初心を忘るべからず」…若き日の未熟な状態から抜け出した後、年盛りから老後に至るまでの各段階で年相応の芸を学んだ、初めての境地を覚えておくことにより、幅広い芸が可能になると説いています。
そして最後に「老後の初心を忘るべからず」…老後にさえふさわしい芸を学ぶ初心があり、それを忘れずに限りない芸の向上を目指すべしと説いています。

いつの日にか、一回り大きくなった自分を発見し、ふとした時に「自分、できるようになったなぁ」と思うこともあると思います。またはいつの間にか「目的を見失っている自分」に出逢うこともあるかもしれません。そんな時に、思い返して欲しいのは『初心』です。一番始めに「この目標を成し遂げるために頑張ろう!」と決めていた自分がいたはずです。そんな自分を思い返すと、自ずと自らの歩む道も見えてくるかもやしれません。

南千住校も開校して丸1年を迎えました。この1年で様々なドラマがありました。子どもたちの成長・苦節に一喜一憂しながら、ともに成長を遂げてきました。この1年という節目だからこそ、改めて『初心』を思い返し、私と講師陣で努力を続けてまいりたいと思います。
今後ともよろしくお願い申し上げます。

稲門学舎 南千住校
教室長 佐藤 大輔

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