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室長レター (高田馬場)

 
2012.1
『スモールステップ』

 

11月、中学2年生のOさんと面談をした時のこと、いつも笑顔のOさんが言いました。
「私、数学のテストを受けるのが怖いんです。だって全然点数がとれなくて…、もうイヤ!」その表情はいつもの笑顔とは違い、少し引きつった表情でした。そしてさらに続けました。

「高校受験は、ワタシ無理かな。都立も私立も数学あるし…」。

夏休み明けに稲門学舎にやってきたOさんは、英語も国語も平均点以上を取っているものの、数学に関しては、すっかりあきらめていました。そして志望校も半分あきらめかけた様子でした。

私はそんなOさんに私は言いました。「あせらず、ひとつひとつできることをやっていこう。」そして、「目標を持とうよ。まずは今度のテストで20点アップを目指そう。」

私は、Oさんには目の前の目標が必要だと思いました。そして次回の期末試験までの残り1ヶ月で20点をアップさせようという目標をOさんに投げかけました。

「毎日少しでもいいからコツコツやれば、必ず点数は上るから!」という私の言葉を信じてくれたのか、「無理かもしれないけどやってみる。」との返事でした。

私はOさんの担当の先生と相談し、毎日必ずやる宿題を出しました。決して量は多くないのですが、毎日やるというのがポイントでした。

それから1ヶ月、Oさんは1日数題の演習問題を毎日こなしてくれていました。少しであっても、嫌いな数学に取り組むのは辛かったことでしょう。でもOさんは毎日コツコツとがんばってくれました。そして、Oさんに変化が生じてきました。それは、授業に来るたび、たくさんの質問をするようになったのです。そして自習に来た時でさえ、よく質問をしてきました。

1週間後、Oさんがやってきて、教室の扉を開け、満面の笑顔で言いました。
「先生!やったよ!20点上った!」
そう言って数学の答案を見せてくれました。Oさんの点数は、前回の点数からちょうど20点アップの26点でした。

正直なところ、26点という点数を見てこんなに喜んだことはありませんでした。しかしOさんが必死に努力し、目標を達成してくれたことがとても嬉しく感じました。そして何よりもOさんは嬉しそうでした。

私が、Oさんに次の目標について話しをしようとしたところ、Oさんの方から先に言葉を発しました。

「次はもう20点が目標ですね。そしてその次も20点、その次も…、その次も・・・。」

あきらめかけていた数学に、自ら新たな目標を持ち始めた瞬間でした。
さぁ、高校入試に向けて一緒にがんばろう。ここからがスタートだ。

 

 

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